突如実現した金賢姫元工作員の来日が話題となり、拉致問題の世論喚起を促しました。
結局、拉致問題に関して新しい情報は齎されませんでしたが、「政府が何らかの動きをする」という最低限のメッセージとなりました。
拉致問題は暗礁に乗り上げ、遅々として進みません。
北朝鮮が、現在燦々たる状況であることは頻繁に報道されます。
昨年行ったデノミ政策(北朝鮮は100ウォンを1ウォンとした)の失敗により国内経済が貧窮しており、例えば麻酔無しの手術が常識化しているといったように、人々の生活は貧困を極めています。
北朝鮮はこういった国内情勢を打破するために、色々訳の分からない事を仕掛けてきます。
核開発やミサイル発射は「危険な国家」を演出する手段です。「あの国は何をするか分からない」というメッセージを発しているのです。脅しをすることで支援や譲歩を勝ち取ろうとしているのです。
更に北朝鮮は脅しに留まらず、実際にテロ行為を繰り返しています。ここが問題なのです。
数ヶ月前に韓国船が北朝鮮潜水艦による爆撃を受け沈没し多くの命が犠牲となりました。
今回来日した金賢姫元工作員は実際に大韓航空機を爆破しています。
国境近くの海では、日本の海上保安庁との銃撃戦も行われています。
拉致問題は解決しなくてはならない問題です。しかし対話が通じる相手ではない、圧力が必要だ、テロ行為には制裁だとなり、全く進展しないのです。
北朝鮮も拉致問題については、先の大韓航空機爆破事件への関与やその他国家的機密事項が公になることを避けたいため、一向に認めようとしません。
拉致被害者家族は身内を取り戻すことに一生を捧げ、政治に翻弄され続けてきたことでしょう。
現状打破の特効薬はありませんが、世論の喚起は重要です。世論が政治を動かすことは事実です。
菅総理は市民活動から政治家を志した人物であり、拉致被害者家族救済等の政治活動こそ力を発揮していただきたいものです。