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2011年 10月 11日

欧州危機

デクシアというベルギーの銀行が国有化される等、欧州危機は日々深刻さを増すばかりで、解決の糸口すらつかめない状態です。

欧州危機は世界恐慌を招くと言われている深刻さですが、なぜそこまで深刻な状態に陥ったのか、発端は米国のサブプライム・ローン問題にありました。

2007年夏ごろから起こった米住宅価格の下落によりサブプライム・ローン問題が表面化し、米国の金融機関が膨大な損失を被り、そしてリーマン・ショックに発展していきました。

米金融機関は強制的な不良債権処理を余儀なくされ、大手証券のメリルリンチは、米大手銀行のバンカメ(バンク・オブ・アメリカ)に買収され、大手銀行のシティバンクは公的資金による資本注入を受けて生き延び、リーマン・ブラザーズは破たん処理されました。

こうした措置の是非は別にして、米国金融機関は「荒療治」によって不良債権処理を済ませることができたのは事実です。

対して欧州はどう対応したかというと、金融機関は莫大な不良債権の存在を否定し、抜本的な不良債権処理を先送りしてしまいました。

当時、ストレステストという誤魔化しの査定によりマーケットに対しては安心を与えたものの、彼らは米国が行ったドラスチックな手法を避けて、20年・30年という長い時間をかけて不良債権を償却していくことを選択したのです。

20年・30年の間、平穏であれば良かったのですが、2009年12月になってギリシャの債務危機が顕在化しました。

こうして、欧州金融機関はサブプライム・ローン関連の不良債権処理を先送りしたうえに、実質的に紙くず同然となったギリシャ国債などの不良債権をも抱え込み、危機的な状況へと陥ったのです。

フランスやドイツは、ギリシャをデフォルトさせて切り離すという抜本策を講じることができず、様子を見ながら少しずつ資金を投入するという対症療法に頼らざるを得ません。

ギリシャをデフォルトさせれば、「不良債権」と「ギリシャ国債」というダブルパンチをくらった欧州金融機関が連鎖的に倒れる可能性が高いからです。

ユーロが立ち直るためには相当な時間がかかることが分かります。

あるいは立ち直ることができずに、別の体制へ移行することを余儀なくされるのかも知れません。

欧州危機は深刻も深刻、待った無しの状態なのです。

by melo-works | 2011-10-11 11:42 | Comments(0)


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