イスラム国による日本人拘束事件に接する度に、胸の奥に痛みを感じ落胆します。
彼らの正義は、我々の想像など及ばないのです。
正しい方が勝つ、私の信念です。しかし、いくら正しくても通じない、正義の限界を感じます。
宗教の違い、貧困、差別、格差、利権、ビジネスが複雑に入り交じりイスラム国なる組織が膨らみ、生きていくために組織に属し、狂気の中で洗脳され、混沌とした争いが続いていくのです。
西側諸国が全て正しいこともなく、しかし現実にテロという最悪の凶器で世界を震撼させています。
生まれたばかりの子供を残し、後藤さんは仲間を助けるために自身の身を危険に晒し、結果的に最悪の事態となりました。
後藤さんは正義感の強い人だったことは明らかです。その後藤さんの正義をもってしても、理不尽な正義に敵わないことが悔しい。
人質解放の取り引きという段階ですが、ヨルダン政府も全面協力は難しく、事態は難航しそうです。
テロに屈する屈しない、テロリストとは交渉しない、テロに屈すれば次なるテロを生む、という論調がありますが、そんな単純なことでは無いと思います。自己責任論に傾斜することも危険です。
交渉も必要ですし、取り引きも止む無し、ビジネスでも全面勝利は無く、どこかで妥協することもあるのです。言いなりは言語道断ですが、日本国政府としては邦人を守る義務があります。
小泉元総理のように「テロには屈しない」と言い放つことは簡単ですが、政府としての責任を最後まで果たしていただきたいと思います。
生きて帰ってほしい、強く願います。