昨日、アメリカで中間選挙が行われました。
アメリカは大統領選挙が4年に1回行われます。その中間にあたる年に、上院と下院の選挙が行われます。(大統領選挙の時にも上下院選挙が行われます)
アメリカは上院と下院がありますが、乱暴な言い方をすれば、日本の衆議院と参議院のようなものでしょうか。
下院はほぼ有権者数に比例して作られた小選挙区から選出された議員(定数435名)によって構成されます。人口に応じて選ばれたということで、下院議員は原理上「国民(人民)の代表」と考えられています。下院議員の任期は2年です。任期が短いので、落ち着いて政策に打ち込めないとの批判も多くあります。
上院は各州2名ずつ選出されます(定員100名)。人口の多いカリフォルニア州やニューヨーク州からも、人口の少ないアラスカ州からも、同じく2名です。こうなると当然、定数格差は何十倍にもなるのですが、これは許されています。なぜなら、上院は「州の代表」とみなされているからです。上院議員の任期は6年です。
基本的に上下両院対等と言われていますが、「格」は上院議員のほうが上です。大統領候補になるにも、下院議員からでは無理といわれますし、現実にそうなっています。
また、アメリカは2大政党制です。共和党と民主党です。
ブッシュ大統領は共和党です。クリントン前大統領は民主党でした。
共和党は、いわゆる鷹派です。
莫大な軍事費支出にもあまり反対しませんし、何事によらず政府介入に反対します。
例えば、拳銃統制に反対、だからアメリカで強力な全米ライフル協会は強く共和党を支持します。あまり宗教には触れたくないのですが、右派のキリスト教徒も、共和党支持団体です。そして政治家は彼らの票がほしいから、これらの団体に諂ってますます保守的な政策をとります。
また、昔から大きなビジネス関係の金持ち層は圧倒的に共和党だと言われ、党が政治献金を多く受けるから、共和党大統領、議員は、しばしばビジネス優先の政策をとります。
例えば環境問題でも汚染などにあまり厳しくなく、ビジネスに有利なような法律を作るというようなことです。
民主党は、共和党の大きなビジネス優先に対し、労働者に肩を持つと言われ、政治献金も労働団体等から多く貰います。
民主党は福祉政策が先にきますから、経済的弱者に負担をかけないよう大企業への規制を設けるなどして経済政策をすすめていこうとします。
拳銃統制に力を入れ、環境問題も大事な問題としてとりあげる、というように、共和党と敵対するリベラルな政策を掲げています。
このように、共和党では主に中流階級より上の層が、民主党では主に低所得者層が中心になります。
今回の中間選挙では、ブッシュ大統領率いる共和党のイラク政策が焦点となりましたが、結果は民主党の勝利でした。
国民はブッシュ政権にNOを突きつけた形となりました。
日本への影響等、続きは明日。
今日も1日頑張りましょう。