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2007年 10月 29日

NOVA

英会話最大手のNOVAが経営破綻しました。

給与の支払や家賃の支払が滞っている事例が数ヶ月前から報道されましたが、事実上、その時点で既に破綻状態と言えます。

支払が滞っているということは、資金繰りが付かず、資金の調達もできない状態です。

NOVAは新株発行という手段で資金調達を計画していましたが、そもそも株価が低迷している最中、新株発行は株価低下に追い討ちをかけるようなものです(株数が増えるため、一株価格の希薄化)

銀行からの融資は不可能だったことは目に見えています。

それにしても、NOVAに前払いした生徒の受講料は約400億円に上ります。前払いで得ている資金400億も消えてなくなり、支払が滞る状態とは、どういった状態か、想像も付きません。

講師や社員らの未払い賃金は約40億円程です。

最終的に、社長抜きの取締役会で、社長の解任動議が可決され、社長を解任、そして、残された役員によって、会社更生法の適用と進んでいったわけですが、結局は社長不在の決定です。社長の責任とは何なのでしょうか。

私は、前払い受講料という制度そのものが嫌いです。一括支払は割引が適用される、と勧誘しますが、途中解約のリスクの方が、割引メリットを大きく上回ります。

受講する側も、運営する側も、どちらの観点でも良いことは少ない。受講する側のメリットは「自己の拘束」しかありません。運営側のメリットは資金がドカンと入ってくるので、一見良いように感じますが、そこに大きな落とし穴が待ち受けています。

会社を経営していると「事業欲」のコントロールが非常に大切だと感じます。資金が手元にあれば、眠らせておくことはもったいない、投資しよう、会社を大きくしよう、という発想が必ず沸いてきます。

1年分の受講料は、その後一年間の給与や家賃の支払に充当することが前提ですが、結局、その資金は投資に回され、その後の経費の支払は次々と入会する会員の受講料が当てられることになるのでしょう。

今の国の年金と同じ状態になるのです。

NOVAの破綻の原因は、一括支払の中途解約の不手際から生じました。

消費側も、支払方法については、十分留意し、自らのリスクを考えて行動しなければならないことを忘れないで下さい。

by melo-works | 2007-10-29 10:58 | Comments(0)


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