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2010年 07月 02日

路線価

国税庁は2010年分の路線価を発表しました。

1平方メートルあたりの平均路線価は、前年を8・0%下回る12万6000円となり、2年連続の下落となりました。

下落率が前年の5・5%より拡大しており、低迷する景気を反映した形となりました。

路線価とは、相続税や贈与税の算定基準となる数値で、実際取引されている価格は実勢価格と言われ、都心の場合は路線価より若干高めに推移します。

さいたま市では1平方メートルあたり約25万円が平均的な数値で、一般的に家を建てるために必要な土地は30坪程度ですから、1坪=3.3平方メートルを当てはめると、25万×30×3.3=2475万という数値になります。

日本では家を立てる為に、まずは土地代として2500万程度、プラス家の建築費用1500万がかかったとして、一軒家を手に入れるには4000万程度が必要となります。

地価の上昇は景気を大きく左右します。

リーマンショック以前、日本の地価は数年に渡り上昇を続けました。

多くの不動産ファンドが市場から資金を調達し、土地を買い占めテナントビルを建築し、そこから得られる賃貸収入をリート等の商品として販売していました。

有名な不動産ファンドとしてダビンチホールディングスがあり、一時資産が1兆2千億まで膨れ上がり、都心のビルを買いあさっていましたが、リーマンショック以降融資は滞り、リスクマネーが市場から撤退したことで資金繰りが厳しくなり、多くの事業が頓挫、中止、株式市場の上場も廃止となりました。

以前は土地の購入に関して積極的に融資を実行していた銀行が資金の供給を止めたことで、多くの不動産関連企業が破綻しました。

このように、資金が不動産に回らなくなれば、土地の動きが鈍くなります。土地が動かなかれば需要が無くなるので、当然地価は下がります。

地価が下落すれば、お金持ちが保有している資産が目減りすることになります。するとお金持ちは贅沢品の消費を手控えますから景気が悪くなります。

日本は土地神話なるものが存在していました。土地は上がり続けるという神話です。それが90年初頭のバブル崩壊で夢となり、多額の借金を背負い破綻した企業、個人が溢れました。

今回再びバブルが崩壊したことで、多くの企業が破綻し、景気を冷やしています。しかし、水面下では密かに中国人投資家が進出し日本買いを進めているという話も聞きます。いつか再びバブルが起こるのでしょう。バブルは意図的に起こしているのです。

土地は住むものですが、それが投機の手段となっていることで、必要以上に値上がりし、サラリーマンが一生働いても都心に一戸建てを持てないという不条理な状況を生んでいます。

日本の地価下落とは裏腹に、お隣中国では不動産価格の上昇が過熱しバブル状態にあります。

上海に一戸建ては夢の話となっています。

人々の欲望と土地は切っても切り離せないのです。

by melo-works | 2010-07-02 12:22 | Comments(0)


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