菅総理が代表選に勝利した後、ビッグサプライズが市場を駆け巡りました。
日銀の為替介入が行われたのですが、代表選決着翌日というタイミングが絶妙でした。
市場では小沢総理誕生ならば円安、菅総理継続ならば有効な手立てが打てずに円高という憶測でしたので、全く逆の展開となったのです。
今回の円高に対して、政府は「過度の円高には断固たる対応を行う」という発言を繰り返していましたが、実際は口先だけの介入であって、何ら実行はしないであろうと見立てが大勢でした。
個人的には財務省の官僚がアメリカへ飛んで、「円高是正を訴える」程度の、つまりポーズだけでも行えれば上等と思っていましたので、正にビッグサプライズでした。
その勢いに乗り、組閣に関しても世論に対しては「脱小沢路線の継続」と受け取られる陣容となりました。
代表選後の菅総理は若干頼もしく見えますが、問題は山積しています。
尖閣諸島近郊で日本の監視船に追突した中国人船長を拘束している問題で、中国が騒いでいます。
最近の中国は領海線を巡る動きが活発です。
私達の知らない遠くの海では、ある意味一触即発の緊張状態が続いているのです。
もし、中国が尖閣諸島を実行支配したら、日本はどういう対応にでるのでしょうか。排除の為に「戦う」のでしょうか。更に言えば、アメリカは尖閣諸島を日本固有の領土と正式には認めていません。
その認めていない領土の問題で、日本の主張を優先し、もし戦闘が始まる状態となれば、日米安保条約は発動されるのでしょうか。
今の沖縄普天間の移設問題で禍根を残した日米関係にあって、アメリカは日本の領土問題で動いてくれるのでしょうか。
第二次菅内閣が発足し、中国は日本を試しているといった見方もあります。外務大臣には対中強硬派とも言われる前原大臣の就任が決まりました。
何も決められない民主党内閣が、日本の国益を守るために、毅然とした対応がとれるかどうか、正に注目です。