憂鬱な週末を過ごしました。
危機感の原因は中国問題です。
多くの日本人が釈放という政府決定に怒りを感じたことでしょうし、中国という国のヤクザと同じ理不尽な要求に憤りを感じたことでしょう。
まず日本政府、つまりは菅内閣の外交ですが、戦略無き場当たり的対応が明らかとなりました。
中国要人とのパイプは無く、下交渉も無く、全て予想による決定を繰り返し、その予想は楽観論が基本となっていました。
船長及び船員を拘束したこと、船長の勾留を延長したこと、急遽船長を返還したこと等々、全てに楽観論が支配した決定です。
日本の司法制度に則って粛々と・・・と「原理原則を重んじる決定」は理解できますが、原理原則を重んじるならば最後まで貫き通さなければ「負け」なのです。最後に妥協するならば、始めから妥協する方が良いに決まっています。世界中で「日本外交の敗北」と失望報道です。
中国は日本以外の国に対しても、領土問題でその圧力を高めています。
ソ連VSアメリカの冷戦の構図にも似た、中国VSアメリカ、中国VSアジアのその他の国、といった構図が生まれようとしています。
中国は今後も領土問題で近隣諸国と問題を抱え、徐々に孤立化していくでしょう。しかしその強大な経済力を外交に活用し、世界の覇者となるのでしょうか。
我々の近くに世界の脅威となっている国が存在しているのです。
今回の政府の決定に不満はある、しかし戦争は嫌だ、というのが日本人の根底にある最も身勝手な考えです。
日本は湾岸戦争時に「金だけ出して何もしない国」というレッテルを貼られ、その後も世界中の紛争に対してほぼ何も協力しない無責任な国という評価が定着しています。
更に外交に関しても戦略無き弱腰外交国家という国際評価は相変わらずです。
一触即発の海域において、警察である海上保安庁の巡視船では無く、海上自衛隊の護衛艦でなくては、我が国の海は守れないのではないでしょうか。
海上保安庁の職員が中国語を勉強し、放送で「ここは日本の海域です、速やかに移動して下さい」と繰り返しアナウンスしても、中国人が聞き入れて「分かりました」と帰るはずがありません。
威嚇射撃も含め、立ち入らせない防御体制が無いから、中国のやりたい放題なのです。
軍隊無き外交には限界があることを、憲法9条遵守の聞こえの良い平和主義の限界を、そろそろ日本国民全体が真剣に考えなくてはいけないのです。
何故なら、相手はやくざと同じロジックで外交を進める国なのです。真剣に考えれば考える程に憂鬱です。