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2012年 07月 17日

LIBOR

世界の景気動向について続けて書きたいのですが、LIBOR(ライボー)問題が大きくなっていますので触れておきたいと思います。

聞きなれない言葉にやや難しく感じるかもしれませんが、簡単に説明します。

LIBORとはロンドン銀行間取引金利のことで、そもそも銀行は皆さんの預金をそのまま貸出に回しているのではなく、銀行もそれぞれが資金調達を行い、そのお金を貸し出しに回しているのです。

銀行同士がお金を貸したり借りたりしているのですが、その基準金利となるのがLIBORです。

RIBORは銀行が「当社は0.3%で資金調達しましたよ」という申告制となっており、その平均をLIBOR金利として、取引金利の指標となっています。

今回問題となっているのが、バークレイというイギリスのメガバンクがその数値を不正に申告していたことから世間を騒がせていますが、このLIBOR不正操作問題はすでに4,5年前から問題となっていました。

例えば、銀行が0.3%という低い金利で資金を調達していたにも関わらず、嘘の申告を行い、当社は0.7%で資金を調達していましたよ、と言ったとします。多くの銀行が同じように申告していたとしたら、RIBORは実際取引よりも高くなります。

仮に0.8%となったとします。住宅ローンを組む場合、RIBORが基準になったとしたら、0.8%が基準となり、そこから一定金利を上乗せして1.5%で融資したとしましょう。

しかし、実際銀行が資金調達を行った金利は0.3%ですから、その利ザヤ(貸出金利と調達金利との差)は大きくなり、銀行は儲けが増えることになります。

今回問題となっているのは、単にバークレイ単体の問題では無く、多くの銀行も同じ行為を行っていたこと、更に銀行のみならず、中央銀行や政府も事実を知っていたもしくは加担していた可能性が大きいということです。

つまり、乱暴な言い方をすれば、不当・不正なマネーゲームにより多くの銀行、ヘッジファンド、更にそのバックにある巨大な国家的組織さえもが不正に侵されているということです。

私たち庶民の知らない世界で、巨悪が利潤を貪り、世の中を支配しているということです。

それ程の問題です。

今後、不正操作により損害を被った訴訟が世界中で勃発するでしょう。以前、欧米のたばこ産業が訴訟により一気に衰退したのと同じように、世界の金融機関はどうなるのでしょうか。そもそも中央銀行や国家に飛び火した場合、結末はどのようになるのでしょうか。

日本のTIBORも不正操作されている可能性があります。

このように、今回のLIBOR問題はあまりに巨大であることだけは認識下さい。

by melo-works | 2012-07-17 12:29 | Comments(0)


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