円安が驚異的スピードで進行しています。
今日の外国為替市場では1💲107円を突破しています。円安による株高も進み、日経平均株価は16000円に迫る水準で推移しています。
円安進行の要因は、日銀による金融緩和です。アメリカがばらまき政策の終焉(テーパリング)を向かえ、利上げの時期を探っている中、黒田日銀総裁は更なる金融緩和に言及しました。
要は円が大量に市場に増え円の価値が下がり、ドルは市場から資金を引き揚げ希少性が高まり価値が上がっているため、円安ドル高となるのです。
円安は輸出産業にプラス効果をもたらすため、大企業の業績アップにつながります。また、大企業中心の日経平均株価は上がり、株で運用している人の懐が潤い、消費にプラスとなります。
また、今まで中国等に仕事を奪われていた中小下請け企業が、円安により仕事が戻ってきたり、また大企業の設備投資が国内中心に変化する可能性はあります。
観光産業は円安効果により日本への旅行者が増える恩恵をうける傾向にあります。
円安の効果としては上記がありますが、それ以上に深刻なのが、原材料価格の高騰です。
ガソリンや電気料金は勿論の事、その他多くの原材料を輸入に頼っている多くの企業が、急激な円安により経費大幅増に苦しんでいます。
人件費も高騰し、原材料費も高騰している中、価格に転嫁していくしか方法はありません。
日銀が狙っているのは正にその流れですが、急激すぎる円安により、果たして企業が値上げによって利益を受ける前に、企業の体力がもつのか、という大きな問題に直面しています。
値上げを消費者が受け入れる為には、それ相応の賃金上昇が大前提です。アルバイト人件費は確かに上昇していますが、それが多くの正規社員に浸透するかどうかが大きな鍵となります。
大企業は可能でも、中小企業にその体力があるのか、政府日銀はその辺りをどう読んでいるのでしょうか。
円安株高以外、目立った改革も無いアベノミクスとは、一部の大企業のみが恩恵を受ける政策である気がしてたまりません。
この株価に騙されて、景気が良いと思わされ、消費税増税を受け入れる、日本国民はその罠に掛かりつつあるのです。
景気の落ち込みは深刻です。その事実を株価だけで誤魔化されるのは止めましょう。